太陽光発電は、自然エネルギーを利用して自家発電できるエコなシステムです。
しかし、太陽光発電だけでは、
- 夜間や曇天の日に電気が使えなかったり
- 災害時に停電になったりするリスク
があります。
そこで、太陽光発電と一緒に蓄電池を導入することで、さまざまなメリットが得られると言われています。
では、具体的に太陽光発電と蓄電池の組み合わせはどのようなメリットがあるのでしょうか?
また、デメリットや注意点はないのでしょうか?
この記事では、
- 太陽光発電と蓄電池の仕組みと関係性
- 蓄電池を導入することで得られるメリット(夜間や曇天でも太陽光発電の電気が使える、災害時に非常用の電源として使用できる、電気代が安くなる可能性がある)
- 蓄電池を導入することに伴うデメリット(蓄電池にも寿命がある、設置スペースが必要、初期費用がかかる)
- 蓄電池の種類や価格
について徹底解説します。
この記事を読んでわかることは以下の通りです。
- 太陽光発電と蓄電池の仕組みと関係性
- 蓄電池を導入することで得られるメリット
- 蓄電池を導入することに伴うデメリット
- 蓄電池の種類や価格、導入方法などの補足情報
この記事の結論は以下の通りです。
- 太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、災害時や節約時に役立つエコなシステムになる
- しかし、蓄電池にも寿命やコストなどのデメリットがあるため、導入前によく検討する必要がある
- 補助金や見積もりサービスなどを活用して、自分に合った蓄電池を選ぶことが大切である
それでは、詳しく見ていきましょう。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせのメリットとデメリット
- メリット1:夜間や曇天でも太陽光発電の電気が使える
メリット2:災害時に非常用の電源として使用できる
- メリット3:電気代が安くなる可能性がある
- デメリット1:蓄電池にも寿命がある
- デメリット2:設置スペースが必要
- デメリット3:初期費用がかかる
メリット1:夜間や曇天でも太陽光発電の電気が使える
太陽光発電は、日光が当たる時間帯にしか発電できません。
そのため、夜間や曇天の日には、電力会社からの買電に頼らなければなりません。
しかし、蓄電池を併設することで、日中に発電した余剰電力を蓄えておき、夜間や曇天の日に使用することができます。
これにより、自家消費率を高めることができます。
自家消費率とは、自家発電した電力を自分で消費する割合のことです。
自家消費率が高いほど、買電量や売電量が減ります。
買電量が減れば、光熱費を節約できます。
売電量が減れば、FIT(固定価格買取制度)の期間終了後も、自家発電した電力を有効活用できます。
メリット2:災害時に非常用の電源として使用できる
日本は地震や台風などの自然災害が多い国です。
災害時には、停電や断水などのライフラインが寸断される可能性があります。
そんな時にも、太陽光発電と蓄電池の組み合わせは役立ちます。
太陽光発電は、災害時でも発電することができます。しかし、それは日中、日光の当たる時間に限られてしまいます。
そこで、蓄電池に電気を蓄えておけば、災害時の夜間でも電気を使用することができます。
また、蓄電池には非常用コンセントが付いているものもあります。
これを利用すれば、携帯電話やラジオなどの必需品を充電したり、照明や冷蔵庫などの家電を動かしたりすることができます。
これらは、災害時に情報収集や生活維持に欠かせないものです。
蓄電池は、災害時に安心感や快適さを提供する非常用電源として活躍します。
メリット3:電気代が安くなる可能性がある
太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、節約効果も期待できます。
前述したように、自家消費率を高めることで、買電量を減らすことができます。
また、蓄電池を利用することで、ピークカットやピークシフトという節約方法も可能です。
ピークカットとは、1日のうちに最も多くの電気を使う時間帯(ピークタイム)を少しでも削減することです。
ピークシフトとは、ピークタイム以外の時間帯(オフピークタイム)に使うべきだった電気をピークタイムに使うことです。
これらの方法は、時間帯別料金制度(TOU)やピークシフト型契約(PS)などの新しい料金プランに対応しています。
これらの料金プランでは、ピークタイムよりもオフピークタイムの方が単価が安くなっています。
つまり、オフピークタイムに発生した余剰電力を蓄えておき、ピークタイムに使用することで、高い単価で買う必要があった分の買電を減らすことができます。
これにより、電気代を節約できます。
デメリット1:蓄電池にも寿命がある
太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、メリットばかりではありません。
デメリットもあります。
その一つが、蓄電池にも寿命があるということです。
蓄電池は、繰り返し充放電をすることで、性能が低下していきます。
一般的に、蓄電池の寿命は10年から15年程度と言われています。
しかし、使用頻度や環境条件によっては、もっと早く劣化する可能性もあります。
蓄電池が劣化すると、容量が減ったり、充放電効率が悪くなったりします。
これは、自家消費率や節約効果に影響を与えます。
また、蓄電池の交換や廃棄にも費用がかかります。
蓄電池の寿命は、導入前に確認しておくべきポイントです。
デメリット2:設置スペースが必要
もう一つのデメリットは、設置スペースが必要ということです。
太陽光発電だけであれば、屋根やベランダなどにパネルを設置するだけで済みますが、蓄電池を併設する場合は、別途スペースを確保する必要があります。
蓄電池のサイズは、容量や種類によって異なりますが、一般的には冷蔵庫ぐらいの大きさです。
また、蓄電池は高温や湿気に弱いため、屋内や日陰に設置することが望ましいです。
しかし、屋内に設置する場合は、配線や通気などの工事が必要になります。
また、日陰に設置する場合は、太陽光発電パネルとの距離が長くなる可能性があります。
これは、配線ロスという現象を引き起こし、発電効率を低下させる原因になります。
設置スペースは、導入前に慎重に検討するべきポイントです。
デメリット3:初期費用がかかる
最後のデメリットは、初期費用がかかるということです。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、長期的に見れば節約効果がありますが、導入時には高額な費用が必要です。
太陽光発電システムの平均価格は約200万円程度ですが、それに加えて蓄電池の価格も約200万円程度かかります。※太陽光発電、蓄電池共に搭載容量等の理由で平均価格に上限があります。
つまり、太陽光発電と蓄電池の組み合わせでは約400万円程度の初期費用が必要です。
これは、一般的な家庭ではなかなか出せる金額ではありません。
また、太陽光発電と蓄電池の組み合わせでは、工事費や保守費などのランニングコストもかかります。
初期費用やランニングコストは、導入前にしっかり見積もっておくべきポイントです。
太陽光発電とは?発電方法やメリットを解説
太陽光発電とは、太陽の光を直接電気に変換する発電方法です。
太陽光発電システムは、主に以下の3つの部品から構成されます。
- ソーラーパネル:太陽の光を受けて直流電気を発生させる装置です。屋根や壁などに設置します。
- パワーコンディショナー:ソーラーパネルで発生した直流電気を、家庭で使える交流電気に変換する装置です。室内や屋外に設置します。
- 配電盤:パワーコンディショナーで変換した交流電気を、自家消費するか売電するかを切り替える装置です。室内に設置します。
太陽光発電のメリットは、以下のようなものがあります。
- 環境にやさしい:発電時に二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しません。再生可能エネルギーとして持続可能な社会に貢献できます。
- 経済的におトク:自家消費することで電気代を節約できます。余った電気は電力会社に売ることで収入を得ることができます。
- 災害対策に役立つ:停電時にも発電することができます。蓄電池と併用すれば、夜間や曇天でも電気を使用することができます。
蓄電池とは?種類や仕組みを解説
蓄電池とは、電気をためておくことができる装置です。
太陽光発電と併用する場合は、太陽光発電で発生した電気を蓄電池に貯めておき、必要な時に使うことができます。
蓄電池には、主に以下の2種類があります。
- 単機能型:パワーコンディショナーとは別に設置するタイプです。直流電気をためておくだけなので、使用する時にはパワーコンディショナーで交流電気に変換する必要があります。そのため、変換ロスが大きくなります。
- ハイブリッド型:パワーコンディショナーと一体化したタイプです。直流電気を交流電気に変換してからためておくので、使用する時にはそのまま使えます。そのため、変換ロスが少なくなります。
蓄電池のメリットは、以下のようなものがあります。
- 夜間や曇天でも太陽光発電の電気が使える:太陽光発電は日光が当たらない時には発電できません。蓄電池に電気をためておけば、太陽光で自家発電した電気を使うことができます。
- 災害時に非常用の電源として使用できる:太陽光発電は災害時でも発電することができますが、それは日中、日光の当たる時間に限られてしまいます。そんな時、蓄電池で太陽光発電の電気を蓄えていれば、災害時の夜間でも電気を使用することができるのです。
- 電気代が安くなる可能性がある:蓄電池にためた電気を自家消費することで、購入電力量を減らすことができます。また、売電価格よりも高い時間帯に蓄電池から放出することで、売電収入を増やすこともできます。ただし、これらの効果は、自分の家庭の電気の使い方や料金プランによって異なります。
家庭用蓄電池の種類と特徴を比較
家庭用蓄電池には、用いられている物質や材料によって、鉛蓄電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池の3種類があります。
家庭用蓄電池の種類、特徴、メリット、デメリットを表にまとめると以下のようになります。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
リチウムイオン電池 | 負極に炭素材料、正極にリチウム含有金属酸化物、電解液に有機電解液を用いた電池。三元系とリン酸系がある。 | エネルギー密度やエネルギー効率が高く、小型化や高性能化が可能。 | 充放電回数に寿命があり、交換が必要。三元系は熱暴走の危険性がある。 |
鉛蓄電池 | 負極に鉛、正極に二酸化鉛、電解液に希硫酸を用いた電池。 | 安価で使用実績が多い。過充電に強い。 | エネルギー密度やエネルギー効率が低い。長時間・大容量の放電に向かない。 |
ニッケル水素電池 | 負極に水素吸蔵合金、正極にオキシ水酸化ニッケル、電解液に水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を用いた電池。 | 高性能で過充電・過放電に強い。急速充放電が可能。 | リチウムイオン電池に比べてエネルギー密度やエネルギー効率が低い。 |
蓄電池の価格について
蓄電池の価格は、種類や容量、メーカーによって異なりますが、一般的には本体価格が80万円~200万円程度、設置工事費が10万円~30万円程度となっています。
蓄電池の導入には高額な費用がかかりますが、国や自治体から補助金を受けることで負担を軽減することができます。
自治体からの補助金は、地域によって条件や補助金額が異なりますが、補助金を受けるためには、各制度の要件を満たす必要があります。
詳細は各執行団体の補助金情報ページをご確認ください。
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さいごに
この記事では、太陽光発電に蓄電池を併設するメリットとデメリットについて、初心者向けにわかりやすく解説しました。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、環境にやさしいだけでなく、電気代の節約や災害時の安心など、さまざまなメリットがあります。
しかし、一方で、初期費用やメンテナンス費用が高いというデメリットもあります。
太陽光発電と蓄電池を導入するかどうかは、ご自身の家庭の状況やニーズに合わせて検討することが大切です。
信頼できる太陽光発電設置業者に相談したり、補助金やリース・PPAなどのサービスを利用したりすることで、デメリットを解消する方法もあります。
太陽光発電と蓄電池は、エネルギーの未来を切り開く技術です。
ぜひこの記事を参考にして、ご自身の暮らしに合ったエネルギー選択をしてみてください。
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