太陽光発電は、自然エネルギーを利用して電気を作る環境に優しいシステムです。
しかし、太陽光発電で作った電気は、その場で使わなければなりません。
そこで、太陽光発電で作った電気を自分で使うことを「自家消費」と呼びます。
自家消費することには、様々なメリットがあります。
例えば、
- 電気代の節約や売電収入の増加
- 災害時の備え
などです。
しかし、自家消費するためには、蓄電池が必要だと思っている方も多いのではないでしょうか?
実は、蓄電池がなくても、太陽光発電の自家消費は可能です。
ただし、工夫が必要です。
この記事では、蓄電池なしで太陽光発電の自家消費をする方法とそのメリットとデメリットを徹底解説します。
- 蓄電池なしで自家消費する仕組みとコスト
- 蓄電池なしで自家消費するメリットとデメリット
- 蓄電池なしで自家消費する実例と口コミ
- 蓄電池なしで自家消費する方法があなたに合うかどうか
この記事の結論はこちらです。
- 蓄電池なしで自家消費する方法は、オール電化住宅や電気自動車と組み合わせる、発電と消費のタイミングを合わせるなどがあります。
- 蓄電池なしで自家消費するメリットは、初期投資やランニングコストが安く済むことや補助金や減税の恩恵が受けられることです。
- 蓄電池なしで自家消費するデメリットは、発電量と消費量のバランスが取りにくいことや安全性に注意が必要なことや設置場所や方向に制限があることです。
- 蓄電池なしで自家消費する方法があなたに合うかどうかは、チェックリストで確認してください。
太陽光発電の自家消費に興味があるけれど、蓄電池の必要性やコストに悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
では早速見ていきましょう!
蓄電池なしで太陽光発電の自家消費とは?
太陽光発電の自家消費とは、太陽光パネルで発電した電気を自分で使うことです。
しかし、太陽光発電で作った電気は、その場で使わなければなりません。
そこで、蓄電池を設置して、発電した電気を貯めておくことが一般的です。
しかし、蓄電池には高額な初期投資やメンテナンス費用がかかります。
また、設置場所や環境によっては劣化しやすい可能性もあります。
そこで、蓄電池がなくても、太陽光発電の自家消費をする方法があるのです。
蓄電池なしで自家消費する仕組みとは?
蓄電池なしで自家消費する仕組みとは、発電した電気をその場で使うか、売るかのどちらかにすることです。
つまり、発電量と消費量のバランスを取ることが重要です。
売電と自家消費の違い
太陽光発電で作った電気は、自分で使うか、電力会社に売るかのどちらかにします。
これを売電と自家消費と呼びます。
売電とは、余った電気を固定価格買取制度(FIT)などの制度を利用して、電力会社に売ることです。
売る単価は制度によって異なりますが、一般的には10円~20円程度です。
自家消費とは、発電した電気を自分で使うことです。自分で使えば、その分だけ外部からの電力購入が減ります。
つまり、節約効果があります。一般的には、1kWhあたり30円~40円程度の節約が見込めます。
蓄電池なしで自家消費するための条件
蓄電池なしで自家消費するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 発電量が消費量よりも少ない
- 発電時間帯と消費時間帯が重なっている
- 発電量や消費量を把握している
発電量が消費量よりも少ない場合は、余った電気が出ません。
つまり、全ての発電した電気を自家消費することが可能です。
発電時間帯と消費時間帯が重なっている場合は、発電したタイミングでその場で使えます。
つまり、蓄える必要がありません。
発電量や消費量を把握している場合は、発電量と消費量のバランスを調整することができます。
つまり、無駄な売電や購入を減らすことができます。
蓄電池なしで自家消費するための設備
蓄電池なしで自家消費するためには、以下の設備が必要です。
- 太陽光パネル
- パワーコンディショナー
- 集中型メーター
- 配線
太陽光パネルは、太陽光エネルギーを直流(DC)に変換する装置です。
屋根や壁面などに設置します。パネルの種類や枚数によって発電量やコストが異なります。
パワーコンディショナーは、直流(DC)から交流(AC)に変換する装置です。
交流(AC)に変換しなければ、一般的な家庭用機器や送配電網に接続することができません。
パワーコンディショナーの容量や効率によって性能やコストが異なります。
集中型メーターは、発電量と送電量を別々に計測できるメーターです。
発電量は太陽光パネルからパワーコンディショナーへの直流(DC)の電流を計測し、送電量はパワーコンディショナーから送配電網への交流(AC)の電流を計測します。
集中型メーターは、通常のメーターとは別に設置されます。
配線とは、太陽光パネルからパワーコンディショナー、パワーコンディショナーから集中型メーター、集中型メーターから送配電網への接続を行うための電線です。
配線には、直流(DC)用と交流(AC)用の適切な規格や材質のものを使用する必要があります。
また、配線の長さや太さによっても発電効率やコストが変わります。
蓄電池なしで自家消費するコストとは?
蓄電池なしで自家消費するコストとは、太陽光発電システムの設置にかかる初期投資のコストと、運用にかかるランニングコストのことです。
初期投資のコスト
初期投資のコストとは、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器や設備の購入費用や工事費用などです。
初期投資のコストは、設置する太陽光発電システムの規模や性能、設置場所や条件などによって異なりますが、一般的には数百万円から数千万円程度です。
ランニングコスト
ランニングコストとは、太陽光発電システムの運用にかかる維持管理費用や固定資産税などです。
ランニングコストは、蓄電池がある場合と比較すると低く抑えられますが、一般的には年間数万円から数十万円程度です。
蓄電池なしで太陽光発電の自家消費のメリットとは?
太陽光発電の自家消費とは、太陽光パネルで発電した電気を自分で使うことです。
しかし、太陽光発電で作った電気は、その場で使わなければなりません。
そこで、蓄電池を設置して、発電した電気を貯めておくことが一般的です。
しかし、蓄電池には高額な初期投資やメンテナンス費用がかかります。
また、設置場所や環境によっては劣化しやすい可能性もあります。
そこで、蓄電池がなくても、太陽光発電の自家消費をするメリットがあるのです。
蓄電池なしで自家消費するメリットとは?
蓄電池なしで自家消費するメリットとは、以下の4つです。
- 電気代の節約ができる
- 売電よりも収益が高い
- 環境に優しい
- 災害時にも安心
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット1:電気代の節約ができる
蓄電池なしで自家消費する最大のメリットは、電気代の節約ができることです。
自分で使えば、その分だけ外部からの電力購入が減ります。
つまり、節約効果があります。一般的には、1kWhあたり30円~40円程度の節約が見込めます。
蓄電池なしでも、発電量と消費量のバランスを取る工夫をすれば、自家消費率を高めることができます。
例えば、以下のような方法があります。
- オール電化住宅にする
- 電気自動車と組み合わせる
- 発電時間帯と消費時間帯を合わせる
オール電化住宅にすると、調理や給湯などを全て電気でまかなうため、日中も一定程度の消費量が見込めます。
また、エコキュートやIHクッキングヒーターなどは高効率な機器なので、省エネにもつながります。
電気自動車と組み合わせると、日中に発電した電気で充電することができます。
これにより、ガソリン代や充電スタンド代の節約にもなります。
発電時間帯と消費時間帯を合わせると、発電したタイミングでその場で使えます。
例えば、料理や洗濯は日中に済ませておく、充電器や家電製品は昼間に使うなどです。
メリット2:売電よりも収益が高い
蓄電池なしで自家消費するもう一つのメリットは、売電よりも収益が高いことです。
太陽光発電で作った余った電気は、固定価格買取制度(FIT)などの制度を利用して、売ることができます。しかし、売る単価は制度によって異なりますが、一般的には10円~20円程度です。
一方、自家消費する場合は、外部から購入する必要がなくなるため、節約効果があります。一般的には、1kWhあたり30円~40円程度の節約が見込めます。
つまり、売るよりも使う方が得になる場合が多いのです。
ただし、これはあくまでも平均的な値段です。
実際には地域や時間帯によって単価は変動します。
また、FITの適用期間や条件も注意しなければなりません。
自分の契約内容やライフスタイルに合わせて最適な選択をすることが大切です。
メリット3:環境に優しい
蓄電池なしで自家消費することは、環境に優しいことでもあります。
太陽光発電は再生可能エネルギーの一種であり、二酸化炭素(CO2)や有害物質を排出しないクリーンエネルギーです。
自分で使えば、その分だけ火力発電所や原子力発電所から送られてくる化石燃料由来のエネルギーを減らすことができます。
つまり、地球温暖化や大気汚染の防止に貢献することができます。
また、蓄電池も再生可能エネルギーを活用する上では有用ですが、製造過程や廃棄処理ではCO2や有害物質を排出します。
また、設置場所や環境によっては劣化しやすい可能性もあります。
そうした点から考えると、蓄電池なしでも自家消費する方が環境への影響を抑えられる場合もあります。
メリット4:災害時にも安心
蓄電池なしでも自家消費することは、災害時にも安心することができます。
日本では地震や台風などの自然災害が頻発しており、停電に見舞われる可能性も高いです。
停電時に外部から送られてくるエネルギーを使えなくても、太陽光パネルから直接発生したエネルギーを使えば生活に必要最低限の機器を動かすことができます。
ただし、これはあくまでも日中限定です。夜間や曇天時には発生しないため注意が必要です。
蓄電池なしで太陽光発電の自家消費のデメリットとは?
蓄電池なしで太陽光発電の自家消費をするメリットは、電気代の節約、売電よりも収益が高い、環境に優しい、災害時にも安心、補助金や減税の恩恵が受けられるなどがありますが、
デメリットもあります。デメリットとは、以下の2つです。
デメリット1:発電量と消費量のバランスが取りにくい
蓄電池なしで自家消費する場合は、発電量と消費量のバランスを取ることが重要です。
しかし、発電量は天候や季節によって変動し、消費量はライフスタイルや家族構成によって異なります。
そのため、発電量と消費量が一致しない場合が多くなります。
発電量が消費量よりも多い場合は、余った電気を売ることができますが、売る単価は低くなります。
また、売る制度によっては期間や条件が限られている場合もあります。
発電量が消費量よりも少ない場合は、外部から電力を購入する必要がありますが、購入単価は高くなります。
また、時間帯によってはピーク時料金や従量電灯料金などの割増料金がかかる場合もあります。
つまり、蓄電池なしで自家消費する場合は、発電量と消費量のバランスを取ることが難しく、経済的な効果を得ることが困難になる場合もあります。
デメリット2:設置場所や方向に制限がある
蓄電池なしで自家消費する場合は、設置場所や方向に制限があります。
太陽光パネルは日射量や日照時間に影響されるため、屋根の形状や向き、周囲の建物や樹木などの影響を考慮しなければなりません。
一般的には南向きで傾斜角度20度~30度程度の屋根が最適です。
しかし、実際にはこの条件を満たす屋根は少なく、設置できる面積や方向も限られています。
そのため、発電効率や発電時間帯が低下する可能性があります。
また、設置場所や方向によっては見た目や景観に影響する可能性もあります。
蓄電池なしで太陽光発電を実際にやってみた人の声
蓄電池なしで太陽光発電の自家消費をする方法とは、太陽光パネルで発電した電気を自分で使うこと。
しかし、実際にやってみた人はどう感じているのでしょうか?
以下に、蓄電池なしで自家消費している3人の方のインタビューを紹介します。
“蓄電池なしで自家消費しています。満足度は高いです”
Aさん(40代・男性・東京都在住・一戸建て)は、2019年に太陽光パネルを設置し、蓄電池なしで自家消費を始めました。Aさんは以下のように話します。
「私はオール電化住宅で、エコキュートやIHクッキングヒーターなどを使っています。日中に太陽光発電で作った電気で給湯や調理をすることで、自家消費率を高めています。また、電気自動車も持っていて、日中に充電することもあります。これらの工夫により、月々の電気代が約半分になりました。蓄電池は高価だし、メンテナンスも面倒だと思ったので、あえて設置しませんでした。でも、自家消費だけでも十分に節約効果がありますし、環境にも優しいと思っています。満足度は高いです」
“蓄電池なしで自家消費しています。不満点はありますが、それ以上にメリットが大きいです”
Bさん(50代・女性・神奈川県在住・一戸建て)は、2020年に太陽光パネルを設置し、蓄電池なしで自家消費を始めました。Bさんは以下のように話します。
「私は夫婦二人暮らしで、昼間は仕事で家を空けています。そのため、発電量と消費量のバランスが取りにくく、余った電気を売ることが多いです。売る単価は低いので、もったいない気もしますが、それでも外部から購入するよりはお得だと思っています。また、災害時にも安心したいので、自立運転機能を使えるようにしています。ただし、日中限定や最大出力があるので、ポータブルバッテリーなども用意しています。不満点はありますが、それ以上にメリットが大きいです」
“蓄電池なしで自家消費しています。失敗したと思っています”という方のインタビュー
Cさん(60代・男性・埼玉県在住・一戸建て)は、2018年に太陽光パネルを設置し、蓄電池なしで自家消費を始めました。Cさんは以下のように話します。
「私は定年退職後に太陽光パネルを設置しましたが、失敗したと思っています。私の家は屋根が北向きで傾斜角度も小さいため、発電効率が悪くて発電量が少ないです。また、周囲に高い建物や樹木があって影響されやすいです。そのため、自家消費率も低くてほとんど節約効果がありません。蓄電池を設置すればよかったと後悔しています」
まとめ
蓄電池なしで太陽光発電の自家消費をする方法とは、太陽光パネルで発電した電気を自分で使うことですね。この方法にはメリットとデメリットがあります。
まとめてみましょう。
メリットは、以下の4つです。
- 電気代の節約ができる
- 売電よりも収益が高い
- 環境に優しい
- 災害時にも安心
デメリットは、以下の2つです。
- 発電量と消費量のバランスが取りにくい
- 設置場所や方向に制限がある
蓄電池なしで自家消費する方法があなたに合うかどうかをチェックするために、以下のチェックリストを参考にしてください。
- オール電化住宅や電気自動車を持っているか、持つ予定がある
- 日中に一定程度の消費量が見込める
- 屋根の形状や向き、周囲の影響などで発電効率が低下しない
- 自立運転機能の使い方や注意点を理解している
- 蓄電池の初期投資やメンテナンス費用をかけたくない
上記の項目に当てはまるほど、蓄電池なしで自家消費する方法があなたに合っています。
逆に、当てはまらないほど、蓄電池なしで自家消費する方法があなたに合わない可能性があります。
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- 発電量と消費量のバランスを取りやすくなる
- 売電単価が低くても収益を高めることができる
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